この記事は 事務でよく使うExcel関数まとめ|目的から探せる一覧 の1本です。他の関数もまとめて見られます。
毎月の売上を取引先ごとに集計するとき、フィルタをかけて、選択して、画面右下の合計を見て、電卓で足して……という作業をしていませんか。
この記事で扱う SUMIFS(サムイフズ) を覚えると、その作業が式ひとつで終わります。しかも元データを追加しても、式は書き直さなくて済みます。
Excelを普段使っていて「関数はSUMくらいしか使わない」という方向けに、実際の画面と同じ図を見ながら進めます。
この記事で作るもの
こういう売上明細があるとします。
| A | B | C | D | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 日付 | 取引先 | 商品 | 金額 |
| 2 | 2026-09-01 | A社 | 杉板 | 120,000 |
| 3 | 2026-09-03 | B社 | 檜柱 | 80,000 |
| 4 | 2026-09-05 | A社 | 合板 | 45,000 |
| 5 | 2026-09-12 | C社 | 杉板 | 200,000 |
| 6 | 2026-09-18 | A社 | 檜柱 | 60,000 |
| 7 | 2026-10-02 | A社 | 杉板 | 90,000 |
ここから 「A社の9月分だけの合計」 を出します。答えは 120,000 + 45,000 + 60,000 = 225,000円 です。10月2日のA社(90,000円)は、9月ではないので入りません。
これを目で拾って電卓で足すのが、いま多くの現場でやられている作業です。
SUMIFSの形
まず形だけ見ておきます。
- 合計する範囲実際に足し算したい数字が入っている列。ここでは金額のD列
- 条件の範囲11つ目の条件を探しに行く列。ここでは取引先のB列
- 条件1探す中身。文字は "A社" のようにダブルクォートで囲む
- 条件の範囲22つ目の条件を探しに行く列。ここでは日付のA列
ポイントは3つだけです。
- 最初に書くのは「足したい数字の列」
- そのあとは 「どこを見て」「何を探すか」 の2つ1組
- この2つ1組は、いくつでも増やせる(だから語尾が「S」)
STEP1:まず「取引先だけ」で合計してみる
いきなり2つの条件を入れると分からなくなるので、まず条件1つから始めます。
「A社の合計」(月は問わない)を出します。
| A | B | C | D | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 日付 | 取引先 | 商品 | 金額 |
| 2 | 2026-09-01 | A社 | 杉板 | 120,000 |
| 3 | 2026-09-03 | B社 | 檜柱 | 80,000 |
| 4 | 2026-09-05 | A社 | 合板 | 45,000 |
| 5 | 2026-09-12 | C社 | 杉板 | 200,000 |
| 6 | 2026-09-18 | A社 | 檜柱 | 60,000 |
| 7 | 2026-10-02 | A社 | 杉板 | 90,000 |
式の意味を日本語にすると、こうなります。
D2からD7を足す。ただし、B2からB7が「A社」の行だけ。
これで条件が1つのSUMIFSは完成です。ここまで理解できていれば、あとは同じことをくり返すだけです。
STEP2:日付の条件を足して「9月分だけ」にする
次に「9月」という条件を足します。日付の条件は、「9月1日以上」かつ「9月30日以下」 という2つに分けて書きます。
- D2D7: 足したい金額の列
- B2B7 , "A社": 取引先がA社の行にしぼる
- A2A7 , ">=2026/9/1": 日付が9月1日以降にしぼる
- A2A7 , "<=2026/9/30": 日付が9月30日以前にしぼる
「以上」「以下」の書き方だけ、少し独特です。
| 書きたいこと | 書き方 |
|---|---|
| ちょうどこの値 | "A社" |
| 〜以上 | ">=2026/9/1" |
| 〜以下 | "<=2026/9/30" |
| 〜より大きい | ">100000" |
| これ以外 | "<>A社" |
| 空白でない | "<>" |
不等号も含めて、ぜんぶダブルクォートの中に入れるのがコツです。ここを間違える人が一番多いところです。
結果を見てみます。
| A | B | C | D | |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 日付 | 取引先 | 商品 | 金額 |
| 2 | 2026-09-01 | A社 | 杉板 | 120,000 |
| 3 | 2026-09-03 | B社 | 檜柱 | 80,000 |
| 4 | 2026-09-05 | A社 | 合板 | 45,000 |
| 5 | 2026-09-12 | C社 | 杉板 | 200,000 |
| 6 | 2026-09-18 | A社 | 檜柱 | 60,000 |
| 7 | 2026-10-02 | A社 | 杉板 | 90,000 |
これで完成です。
STEP3:条件をセルから読ませて、使い回せるようにする
ここまでの式には "A社" と "2026/9/1" が直接書き込まれています。このままだと、B社の集計を出したいときに式を書き直すことになります。
条件は、セルに書いて、そのセルを参照させます。 これが実務で効くポイントです。
| A | B | |
|---|---|---|
| 1 | 項目 | 値 |
| 2 | 取引先 | A社 |
| 3 | 開始日 | 2026/9/1 |
| 4 | 終了日 | 2026/9/30 |
| 5 | 合計 | 225,000 |
式はこうなります。
- 明細!DD: 別シート「明細」のD列全部。行が増えても式を直さなくてよくなる
- 明細!BB , B3: 取引先の条件を、B3セルの中身から読む
- 明細!AA , ">="&B4: 不等号とセルをつなぐときは & (アンパサンド)でつなぐ
- 明細!AA , "<="&B5: 同じく終了日も B5 セルから読む
">=B4" と書いてはいけません。
これだと「B4という文字そのもの」を探しに行ってしまい、結果は必ず0になります。
不等号とセルをつなぐときは、必ず ">=" & B4 のように & でつなぎます。
ここが SUMIFS で一番よくある間違いです。
こうしておけば、B3を「B社」に変えるだけで、B社の集計が出ます。式を触るのは最初の1回だけになります。
よくあるつまずき
答えが 0 になる
ほとんどの場合、次のどれかです。
・取引先名に余分なスペースが入っている(「A社 」と「A社」は別物として扱われます)
・数字が文字列として入っている(セルの左寄せになっていたら要注意)
・日付が日付ではなく文字列で入っている
・上に書いた ">=" & B4 の書き方を間違えている
スペースの混入は本当に多いです。特に他システムからCSVで落としたデータで起きます。疑わしいときは、空いているセルに =B2="A社" と入れてみてください。TRUE が返れば一致、FALSE なら見た目が同じでも中身が違います。
余分なスペースをまとめて取り除く方法は、TRIM関数の記事で扱います。
「範囲が違います」というエラーが出る
合計する範囲と、条件の範囲の 行数が揃っていないときに出ます。D2:D7 に対して B2:B100 のようにズレていないか確認してください。
D列とB列で D:D B:B のように列全部を指定すると、この間違いは起きなくなります。
SUMIFSが使えると、こういう作業が消えます
- 月別・取引先別の集計表
縦に取引先、横に月を並べた表を作り、交点にSUMIFSを1つ書いて、あとはコピーするだけ。手作業の集計は不要になります。
- 請求金額の突合
販売管理システムから出した合計と、明細から出したSUMIFSの合計を並べて、差が0かどうかを見るだけで確認が終わります。
- 月次資料の自動更新
明細シートに今月分を貼り付ければ、集計シートの数字が自動で変わります。「先月の資料をコピーして数字を打ち替える」作業がなくなります。
とくに3つ目が大きいです。毎月の資料づくりが「明細を貼るだけ」に変わります。
今日やってみること
- 手元の明細データを1つ開く
売上でも仕入でも作業日報でも構いません。行が縦に並んでいるデータならどれでも使えます。
- 空いているセルに条件を1つだけ書いてみる
まずは
=SUMIFS(金額の列, 条件の列, "条件")の形で、条件1つから始めてください。 - 画面右下の合計と見比べる
フィルタをかけたときの合計と、SUMIFSの結果が一致すれば正解です。ここが合っていれば、あとは条件を足していくだけです。
いきなり完成形を目指さないでください。条件1つで合うことを確認してから、2つ目を足す。この順番だと、間違えてもどこが原因かすぐ分かります。
次に読むとよい記事
SUMIFSは「合計」の関数です。同じ考え方で、数える・平均を出すこともできます。書き方はほとんど同じなので、SUMIFSが分かればすぐ使えます。
- 条件に合う件数を数えるなら → COUNTIFS関数の使い方
- 条件に合う行の平均を出すなら → AVERAGEIFS関数の使い方
- 条件を付けずにまとめて合計するなら → SUM関数の使い方
- フィルタで絞った分だけ合計したいなら → SUBTOTAL関数の使い方
集計の前に、別の表から品名や単価を持ってくる必要がある場合は XLOOKUP関数の使い方 を先に読んでください。
「うちのデータでもできるか分からない」という場合、実際のファイルを拝見すれば判断できます。現状のヒアリングと課題整理は無料です。
この記事について
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